ゼロから想像することの大切さ、楽しさを
「モモ」が思い出させてくれました

──タカオさんは子供のころから本を読むのが好きだったんですか?

タカオ子供のころは特に絵本が好きで、「ピーターラビット」や「怪傑ゾロリ」「ノンタン」「ぐりとぐら」などのシリーズものは絶対に読んでました。あと、生まれた時に両親が私だけの絵本っていうのをプレゼントしてくれたんです。

──ストーリーに名前が入る絵本ですか?

タカオそうです、そうです。“優しい子に育ってほしい”みたいな内容の絵本をもらったのを今でもすごく大事にしてます。あと、本当に一時期なんですけど漫画家になりたいと思って、4コマ漫画から始まり、ちょっとした漫画を描いてる時期がありました。

──それは何かきっかけがあったんですか?

タカオお兄ちゃんの影響で少年漫画を読んだり、あとは「とっとこハム太郎」っていうアニメが好きだったんですけど、そのアニメで新しいキャラクターを募集していて、それに応募したりとか(笑)。好きなアニメの原作を読んで、また本の魅力にはまったりすることもあって、アニメは作れないけど漫画を描いてみたいって思ったんです。

──それでは今回3冊ご紹介いただいたんですが、「モモ」は子供の頃から好きな一冊ですか?

タカオこの本、実は読んだのは最近なんです。それですごく感動して。

──「モモ」もいわゆる児童書ですが、何をきっかけに手にされたんですか?

タカオたまたま本屋さんで、この「モモ」っていうタイトルに惹かれて手にしたんです。6月の誕生日に何冊か本を手にしようと思って本屋さんに行って、そこでチョイスした本なんですけど、読み終えてすごくはまってしまって。作者のミヒャエル・エンデさんってどんな人なんだろうって調べた時に、「ネバーエンディングストーリー」の原作の方だと知ったんです。私、物心ついて初めに記憶に残ってる映画が「ネバーエンディングストーリー」なんですね。大人になっても何度もDVDで見るぐらい大好きなんですけど、その原作の「はてしない物語」を書いたのもミヒャエル・エンデさんだと知って、すごく運命を感じました。

──大切な時間をテーマにした物語ですが、どういうところに惹かれましたか?

タカオ時間貯蓄銀行っていう謎の組織が人間の時間を奪っていく、そしてそれをモモっていう少女が奪い返すっていう物語で、ほんとに深い物語だなと思って。私は毎日計画を立てたくなるタイプで、明日何時に何をして、お仕事が19時に終わるとすると、19時から寝るまで時間があるから、21時からジムに行こうとか、何時間単位で明日の予定を立てたくなっちゃうんです。ある意味余裕がないというか、それがすごく充実したいいことだと思ってたんです。でもこの本を読んだ時に、自分はすごく枠組みの中で生きてる人間なんだなって思ったんです。この本の主人公のモモは、何にも区切られない自由の象徴みたいな存在だなと思って。そんなモモは幸せそうで、私が特に印象的だったのは、時間は目に見えないし聞こえもしないし、心で感じるもので、それって感じ方によっては長く感じたり短く感じたりする。時間っていうものをじっくりと考えさせられた時に、モモってかっこいいなって思って。スマホなんて本当に時間泥棒だなとか(笑)。私に立ち止まる時間をくれた、とてもあったかい本です。

──時間の重要性を知っている大人になって読んだからこそ、響くものも大きかったのかもしれないですね。

タカオ確かに。深い! あと、これ映画もあるんですけど、本から入ってよかったなって思って。時間の花とか、挿絵からいろいろと想像するのが楽しかったです。私も作詞作曲をやってるんですけど、ゼロから想像するっていうことがすごく大事で、この本が想像する楽しさを思い出させてくれました。作るの大変だとか、難しいとか思ってた自分もいたんですけど、いろいろフワフワと想像しているうちに夢の中に入って行く感覚というか、この「モモ」のファンタジーの世界にどんどん惹かれていって。ミヒャエル・エンデさんの本を全部読みたいと思いました。

タカオユキ/みみめめMIMIさんが好きな本を
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何者

朝井リョウ

新潮社

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

※『モモ』『秘密』は電子書籍の配信はございません。

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