ジェットコースターに乗ってるみたいに、
気持ちが引き込まれて一気に気持ちが落ちちゃう感じがすごい好きです

──真広さんは元々読書好きですか?

真広そういうわけでもないんですけど、お薦めされた本を読んで、それについて一緒に話をしたりするのが好きなんです。あと、小学校の時にあまりクラスに馴染めない時期があって、その時に熱中して本を読んだりしてました。

──その当時読んでいた本で覚えているものはありますか?

真広シリーズものの探偵のお話なんですけど、三姉妹とダメダメ探偵が出てきて、一緒に事件を解決する内容だったんです。最終章がものすごく分厚い本だったんですけど、一気にぺろっと読んじゃいました。読むときは集中して3日間ぐらいで一気に読んでしまいます。思い出深い作品です。

──好きなジャンルはありますか?

真広読むものはいろいろなんですけど、ベタベタの恋愛ものっていうよりは、どちらかというと暗い作品で、考えさせられるような作品が好きです。結局なんだったんだろうなって思わせられるような作品が自分に合ってるんじゃないかなって思います。

──スッキリ解決しなくてもいい?

真広全然大丈夫です。先の展開が気になる作品が読んでいて楽しいというか。結末が見えないものの方が好きです。

──たくさんある本の中から、どうやって好みの本を選んでますか?

真広母が本を読むのが好きで、母の影響で本を読んでるところもあるので、『これ面白いよ』って教えてもらったものを読んだりしてます。いっぱいありすぎて、自分では選びきれないので。

──お母さんと好みが似てたりしますか?

真広そうですね。母も考えさせられるものが好きと言ってて。そのへんは一緒なんだなあって思います。文章だけで悩まされちゃう、そういうもどかしさが好きみたいです。

──でも10代って悩むことがいっぱいあるじゃないですか。

真広そうなんですよね〜(笑)。主人公は今どういう表情をしてるんだろう、とか、ちょっと想像してみたりするんです。ジェットコースターに乗ってるみたいに、気持ちが引き込まれて一気に気持ちが落ちちゃう感じがすごい好きです。『光』とかも読んでいて落ち込むところはとことん気持ちが落ちちゃう。そういう感じが面白いなと思います。

──では今回ご紹介いただいた3冊について伺っていきたいと思います。今お話にあがった「光」ですが、この本を手にしたきっかけは?

真広オーディションの原稿で読んだのがきっかけです。その時オーディションで必要だったのは冒頭のあたりだけだったんですけど、読んでいくうちに気分が悪くなりながら……っていうと失礼なのかもしれないですけど、モヤモヤして。いきなり地震がきて津波がきて、ここからどうもっていくんだろうって。主人公は中学生なんですけど、中学生にしては過激なところが多いし、出てくる人がみんな愛情に飢えていて、それぞれが違う愛し方をもっている、一体何が正しいんだろうって考えてしまいました。愛情でも殺人の方にいっちゃう愛し方だったり、見返りを求めない愛だったり。暗い話の中にも人間らしい泥沼な部分とか、そういうもどかしさをすごく感じた作品でした。

──作者の三浦しをんさんが、この本について「闇に導く光があってもいいんじゃないか」というお話をされていて、その言葉が衝撃でした。

真広そうですね。決して明るいものではない。この本は文字も多いんですけど、一気に3日間ぐらいで読んじゃいました。暴力的な部分もすごく繊細に描かれた作品だなと思いました。今回、3冊のうちの1冊に選ばせていただいたのは、一番心に響いた作品だったからです。

──真広さんご自身も主人公達の年齢に近いですもんね。

真広はい。それぞれ家庭があるはずなのに、その中で裏切りがあったりして。キレイに物語をすまさないところがすごいと思いました。

──では次に「世界から猫が消えたなら」を読まれたきっかけは?

真広ちょうど学校でみんなが読んでいて、私も読んでみようかなと思ったんです。映画化される一年前に読んで、映画化をすごい楽しみにしてたんですけど、まだ見れてないんですよ〜。すごく残念。このお話もファンタジーなんですけど、暗い部分があって。

──命についてのお話ですもんね。

真広そうですね。ずっしりとした話なんですけど、その中に軽さもあって非常に読みやすかったです。あと、月曜火曜水曜っていう見出しが面白いなと思って。消すものも、映画消すんだ、時計消すんだ、もっと違うものも消していいんじゃないかな、とか、私だったらあれ消したいなこれ消したいなって考えながら読んでました。

──ちなみに真広さんは何を消したいですか?

真広う〜ん……教科書を消したいですね(笑)。教科書を消したらどうなるのかなって。あと、スマートフォンも消したいです。

──文中で電話を消すっていうのはありましたね。

真広そうですね。そこは共感しました。でもガラケーは残してもいいんです。

──え? ガラケーはいいんですか?

真広みんな今電車の中でスマートフォンをいじってるじゃないですか。このスマホがなくなったら、みんな何するんだろうなって思って。街を歩いててもスマホを持ってるし。そういうのがなくなったら、みんなどういうところを見て歩いて考えるんだろうなって。ネットだけの世界じゃないところを見たいです。

──真広さんはスマホですか?

真広スマホです。

──電車の中では何をされてますか?

真広いじっちゃうんですよ(笑)。一度携帯電話を壊して、一週間ぐらい携帯がない生活を送ったんですけど、それはそれで結構楽といえば楽だったなと。通知に悩まされなかったり、調べたくても調べられないもどかしさとか。あ〜不便だなあ……って思うことも楽しめたりして(笑)。

──なるほど(笑)。我々大人は、スマホもガラケーもない時代を経験してるから。

真広そうですよね! それを経験したことがないから、一度経験してみたいなあって思います。黒電話でグリングリンする感じの(笑)。ジブリみたいな世界に憧れます。

──ジブリ(笑)。ところで、この本を読んで泣いてしまったという人が多いんですが、真広さんはいかがでしたか?

真広泣くっていうより、今を大切にしたいと思いました。余命ってことをあんまり日常で考えないので、明日があるわけじゃないから今日をちゃんと精一杯生きようとか、今日しかないと思ってやり残したことがないようにしようって感じました。

真広佳奈さんが好きな本を
電子書籍でチェック!

三浦しをん

集英社

島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。ある日、島を大災害が襲い、信之と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。島での最後の夜、信之は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。それから二十年。妻子とともに暮らしている信之の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。信之は、美花を再び守ろうとするが――。渾身の長編小説。

世界から猫が消えたなら

川村元気

マガジンハウス

僕は生きるために、
消すことを決めた。

今日もし突然、
チョコレートが消えたなら
電話が消えたなら
映画が消えたなら
時計が消えたなら
猫が消えたら
そして
僕が消えたなら

世界はどう変化し、人は何を得て、何を失うのか
30歳郵便配達員。余命あとわずか。
陽気な悪魔が僕の周りにあるものと引き換えに1日の命を与える。
僕と猫と陽気な悪魔の摩訶不思議な7日間がはじまった―――

消してみることで、価値が生まれる。
失うことで、大切さが分かる。
感動的、人生哲学エンタテインメント。

プリント版にはない、特別付録「SPECIAL PHOTOBOOK」付き。

そして生活はつづく

星野源

文藝春秋

俳優で音楽家、星野源はじめてのエッセイ集! 携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。

この記事が気に入ったらクリック

SNSでシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加