全然本を読まなかったけど、
妹に薦められてから読書が好きになりました

──昔から本がお好きだったんですか?

大部小学校、中学校とまったく本を読んだことがなかったんですよ。

──どういうきっかけで本好きになったんでしょう?

大部私、三姉妹の長女なんですけど、年が三つ離れた次女と同じ部屋で、私より6歳下のいちばん下の妹だけひとり部屋だったんですよ。

──その格差はなんなんですか?(笑)

大部私がひとりになるのがすごくイヤで、ひとり部屋になる機会がなかったんです。それで、同じ部屋の真ん中の妹は本が大好きで、毎日のように本を読んでたんですね。私は「そんなに楽しいの?」って思ってたんですけど、中学生のときに『ダレン・シャン』(イギリスの作家ダレン・シャンのファンタジー小説)を妹から「流行ってるから読んでみて」って言われて。でも、本があまりにも分厚すぎて最初は「やー、無理無理無理、やだやだ」って言ってたんですけど、ここで読まなかったら妹に負けた気がして読んでみたんです。そしたら、「こんなに面白いんだ!」ってなって、そこから本にハマりはじめました。

──本が好きになってからは、妹さんと本を薦め合ったりしたんじゃないですか?

大部妹はホントにいろいろ読むから、妹に薦められる本がけっこうありますね。でも、私が薦めた本は「これ、読んだことある」って言われます。今回の3冊も妹には「けっこう前に読んだ」みたいに言われて。妹に先を越されてるんです(笑)。

──本はどういうときに読むことが多いですか?

大部本は寝る前と移動時間の電車とかで読みます。電車で本を読んでて、「あ、乗り過ごしちゃった!」って瞬間が好きなんです。

──乗り過ごすのが好きなんですか?

大部それほど集中してたんだっていうか。カフェとかだと、私は人間観察がすごい好きだから、まわりの人が気になって読めないんですよ。

──本はどこで買うことが多いですか? 今はネット書店もいろいろとありますが。

大部ネットで本を買ったことはなくて、書店に行って買います。用がなくてもちょっとした空き時間とかに行きますね。ランキングコーナーで上位のものを買ったり、ポップとか帯のところにデカく「泣けます!」とか書いてあると「これ、買おう」みたいになりますね。

──「泣けます!」に弱いんですか?

大部そうですね。あと、「絶対に読んだ方がいいです」みたいに太文字で書かれてると。

──押しに弱いんですね(笑)。

大部弱いです(笑)。

──好きになる本に共通点や傾向はありますか?

大部ハッピーエンドのものが多いです。私、もやもやするバッドエンドはあまり好きでなくて。あと、昔は日常にはありえないようなファンタジーなもののほうが好きだったんですけど、今は日常っぽいもののほうが好きですね。

──今回あげていただいた3冊は、短編集もしくは連作短編集ですけど、これは偶然ですか?

大部偶然ですね。石田衣良さんの『スローグッドバイ』は寝る前に短いものを読みたくて買いました。読んでるときに「あ、眠い。でも、あ~、あと少し」ってなるのがイヤなので(笑)。

──読むのを途中で止めて寝るのではなくて、読み切ってから眠りたいんですね。

大部はい。途中で止めると夢に出てくるんです。本当の続きとは違う自分のオリジナルの続きが夢に出てきて「あれっ?」ってなるんです(笑)。

──それはそれで楽しそうですね(笑)。『スローグッドバイ』の作者の石田衣良さんの他の作品はお読みになったことはありますか?

大部『美丘』は読んだことがあります。石田衣良さんは妹がすごく好きなんです。

──じゃあ、『スローグッドバイ』は妹さんに薦められたんですか?

大部いえ。書店で見かけて手にとりました。『スローグッドバイ』は家に妹のものがもう1冊あると思います。私と妹で本がかぶることがホント多くて。このあいだ、母親が部屋を掃除してくれたんですけど、かぶってる本が多すぎて怒られました(笑)。

──お金がもったいないですよね(笑)。同じ部屋なのに、妹さんが何の本を持ってるか知らないんですか?

大部妹も私もブックカバーをつけっぱなしで、そのまま本棚に並べてあるんです。

──それだと「あの本、読みたいな」と思っても、どこにあるかわからないんじゃないですか?

大部私たち姉妹はそこは「運命だ」みたいに考えて(笑)、棚から手にとった本を「今日はこれ読もう」って思うんです。

──運まかせの読書なんですね。変わってますね(笑)。

大部ちょっと変わってるんです(笑)。

大部彩夏さんが好きな本を
電子書籍でチェック!

スローグッドバイ

石田衣良

集英社

『池袋ウエストゲートパーク』『4TEEN』などで知られる石田衣良の恋愛短編集。恋人から裏切られたことで泣けなくなってしまった女性と彼女を見守る男性、友達カップルのために恋人のふりをしていた男女、容姿にコンプレックスを持った女性とネットで知り合った男性、風俗嬢と客として始まった男女、きれいな別れのため最後のデートに出かける男女など、さまざまな形の恋の出会いと別れを描く10本のストーリー。

阪急電車

有川浩

幻冬舎

阪急電鉄の阪急今津線を舞台とした有川浩の連作短編集。図書館で見かけて気になっていた女性と電車で一緒になった会社員の征志は、車窓から見えた石を積んで作った謎の「生」という文字をきっかけに彼女と会話をはじめる。その2人の会話を聞いていた翔子は、自分を振った最低の元彼の結婚式に花嫁衣装のような純白ドレスで乗り込んでいった帰りだった……。阪急電車に乗り合わせた人々の笑いあり涙ありの人間模様が描かれる。

ツナグ

辻村深月

新潮社

一生に一回、死者との再会を実現させてくれる“使者(ツナグ)”をめぐる連作短編集。心の支えだった女性タレントと会うことを望むOL、母にガン告知できなかった中年の息子、死んでしまった親友への罪悪感に苦しみ続ける女子高生、失踪した婚約者が生きていると信じて待ち続けたサラリーマン、祖母からツナグを継承することになった男子高校生などのストーリーが収録されている。第32回吉川英治文学新人賞受賞作。

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