本を読む時、私はいつも、その中の誰か、
例えば友達のグループがあったら、
その中の一人みたいな立ち位置で読むんです

──葵さんがご紹介してくださるオススメの3冊は、『女優堕ち』(河原れん)、『オーダーメイド殺人クラブ』(辻村深月)、『旅猫リポート』(有川浩)ということで、まずは「女優堕ち」のお話から。「女優堕ち」はBS朝日のスペシャルドラマとしてドラマ化されることになっていて(3月23日30日(水)夜11〜12時放送)、葵さんも出演されるんですよね。

そうなんです。『女優堕ち』はまさに女優のお話で、清嶋ルイという女優がいかにして女優になったか、そしてどういう女優なのかということが描かれています。今度ドラマで、そのルイの若い時、本名である井元三津子の時代と、清嶋ルイになりたてぐらいの年齢までをやらせていただくことになりました。お話を頂いて原作を読んだんですけど、主人公がすごく魅力的で。私が好きな女優業についていろいろと書いてあって、勉強になることもありました。

──そうですか。実際のお芝居に役立つようなことが小説に?

例えば雑誌の撮影の時に、どの雑誌でどういう表情をするかということを書いている部分があって。メンズ雑誌ではちょっと隙を出して色気を見せるとか、30代40代向けの女性誌ではちょっとアンニュイな感じで、20代向けは二カッとした笑顔だったり、ちょっと鋭く睨んだりするのがいい、など書いてあって、“そうなんだ!”って(笑)。

──分析がすごいですね。

本を読む時、自分を主人公にして読む人もいると思うんですけど、私はいつも、その中の誰か、例えば友達のグループがあったら、その中の一人みたいな立ち位置で読むんです。だからその本の中の誰かを演じるということが自分となかなか直接結びつかないんですけど、だからこそ面白いなと思います。

──では、この原作を読んだ上で、この主人公を演じるにあたって、どんな役作りをしようと思われましたか?

大人になった清嶋ルイはすごくカッコいいんですけど、三津子の頃は太っていて田舎っぽい感じなんですね。そのギャップをうまく出せたらいいなと思っていて。私は16から27歳までを演じて、それ以降の大人のカッコいい清嶋ルイは森口瑤子さんが演じられるので、繋げないといけないのかなと思ってたんですけど、監督さんはあんまり繋げようとしなくても、似せようとしなくてもいいからとおっしゃってくださって。私の演じる年代は特になんですけど、ルイの中で心情の変化だったり、喋り方一つにしてもすごく変化が多くて、ワンシーンワンシーン別人のように変化していくので、それをうまく出したいなと思いました。

──楽しみにしてますね。続いて「オーダーメイド殺人クラブ」。事前にオススメ3冊のタイトルをいただいてから、私も読み始めました。面白いですね。

面白いですよね! よく夏になると“夏の本”みたいな推薦本フェアがあったりするじゃないですか。それを見るのがすごく好きで、この本は去年の夏のフェアの中で気になって買ったんです。きっかけはそんなふうに何気なくだったんですが、読んでみたらすごく私の好きなポイントだったんですよ。中学生の小林アンちゃんが主人公で、死体のような人形の写真集を見たりするのが好きで、ニュースで見かける中学生が起こす殺人事件に共感をして、自分ももっと派手な事件を起こそうとする。ちょうど同じクラスに共感してもらえる男子を見つけて、その子に誰もやったことがないすごく素敵な殺人方法で私を殺してほしい、って頼むんですよ。それで2人でアンちゃんの殺人計画を立てていくというお話なんですけど、アンちゃんの悩みや家庭環境、友人関係に対してすごく現実味があって。何の疑いもなく、アンちゃんってかわいそうだなって思うことができて、そういう計画を立てることに対する理由も納得がいくわけなんです。

──では、「旅猫リポート」はどんなところが好きですか?

私はすごく猫が好きで、一匹飼ってるんですけど、猫を飼い始めてから、すごく好きになっちゃって、カバンもポーチも全部猫柄、今日のコーディネートに猫は何匹いるんだ?って言われるぐらいなんです(笑)。それを知ってるお父さんが誕生日にこの本をプレゼントしてくれて。お父さんも本をよく読むので、お父さんきっかけでいろんな本を読むようになったんです。それで読んでみたら、読みやすいし、いい話だし、猫がいい!っていう感じで。猫目線でずっと書かれてるお話なんですよ。その猫の主人公が、何かの理由でその猫を引き取ってくれる人を探す旅に出るんです。自分の知り合いを回って回って、その先々にやっぱり猫がいて、その猫同士の会話や主人公と猫との会話が繰り広げられているんです。猫ってこんなことを考えてるのかもって思えるようなお話で、最後はすごく感動するんですよ。猫って可愛いなって思うし、感動するし。本当に猫好きな人には読んでほしいと思います!

葵わかなさんが好きな本を
電子書籍でチェック!

女優堕ち

河原れん

KADOKAWA / 角川書店

旅役者一座に育ち、女優を目指す井元三津子。オーディションで思いもよらぬ方法で大役を手にした彼女は、女優の階段を昇っていくが……。生き馬の目を抜く芸能界をリアルに描いた、一人の少女の成長物語。

オーダーメイド殺人クラブ

辻村深月

集英社

クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は――。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。

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