Jun 19, 2018

コラム

オードリーのオールナイトニッポン全国ツアーのワンマークずれている開催地

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『オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー』の初日は「青森」に決まった。多くの業界関係者はもちろん、地元・青森の方ですら、
「え? 青森?」
 と意表を突かれた感があった。しかも、会場であるホール「リンクステーション青森」のキャパは2,000人。これまた多くの業界関係者は、
「青森で2,000? 大丈夫?」
 と心配した。
 ニッポン放送イベント部いわく、
「青森県、岩手県、秋田県、そして対岸の北海道南部からもリスナーがやってきますから」
 とのこと。ホントかね? まあ、地図を見りゃそうだが…。
 各地のホールの空き状況と本人たちのスケジュール、そして「北」という命題を掛け合わせた結果の「青森」だったのだろう。たしかに意外だが、ぼくは面白いじゃないかと思った。青森は、普通こういうイベントでは選ばれない都市だから、地元のファンはきっと喜ぶだろうと思った。

 あ、何度も重ねて言いますが、青森の方は気を悪くしないでほしい。大丈夫? 怒ってない? …大丈夫と推測して、続けます。

 結果として、6月9日の青森公演は完売し、大成功に終わった。どうやら首都圏や他の場所から、わざわざこのために青森に出かけた方も多いようだった。
「こういう機会がなければ、青森には来ないだろうし」
 という方も多く、みんな公演の前後は青森観光を楽しんでいたようだ。
 番組ではリスナーのことを「リトルトゥース」と呼んでいる(恥ずかしい!)。グッズとして、胸にカタカナで「リトルトゥース」と書かれたTシャツを売ったのだが、公演後の夜や翌日、それを着た2,000人のリトルトゥースが市内各地をウロウロ…。居酒屋やラーメン屋の店員さんは、
「あのう…、昨日もそのTシャツを着た方が来たんですけど、それどういう意味なんですか?」
 と不審がっていたようだ。ふふふ…。

 ジャニーズ事務所のライブは、その開催都市に多くのファンが訪れることで経済効果があると聞く。今回も、プチ・ジャニーズ効果くらいはあったのではないか? そういったちょっとした混乱も含めて、面白いイベントだったと思う(もっとも、ぼくたちは公演終了後、深夜は地元局でオールナイトニッポンの生放送なので、まったく観光はできなかったが…)。
 ぼくの『地方巻き込み好き』というのはこういうことで、お役所が「地方創生」などといって無駄な税金をつぎ込むより何倍も意味があると思っている。

 なにしろ「全国ツアー」だ。この青森を皮切りに各地を回るのだが、その場所も明らかになった。
「北は、青森市。そして西は愛知県、南は福岡県に決まりました」
「青森は意外だったけど、他は妥当な場所ですね。名古屋と博多…でしょ?」
「いえ。青銅さん、よく聞いてください。愛知県と福岡県です」
「県?…なぜ都市名を言わない?」
「愛知県一宮市(9月15日)と、福岡県北九州市(12月22日)です」
「え!?」
 そりゃまあ、一宮市は名古屋のすぐそばだし、北九州市は政令指定都市で大きいけれど…。
「大丈夫です。一宮市は、愛知県、岐阜県、三重県からもファンが来ます。北九州市は、福岡県、大分県、山口県からもファンが来ます」
「………」

 普通の全国ツアーだと「北…札幌、西…名古屋、南…博多」となるところ、今回は「北…青森市、西…一宮市、南…北九州市」となっているのだ。すべてワンマークずらしている。なんの意味があるんだ?
 このぶんだと、来年3月2日のファイナル「日本武道館」もあやしく思えてくる。まさかここもワンマークずらして、すぐそばの「科学技術館」じゃないだろうな?

※注・2019年3月2日は、間違いなくホンモノの「日本武道館」です。(番組より。念のため)

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藤井青銅

藤井青銅(ふじいせいどう)
23歳の時「第一回・星新一ショートショートコンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家となる。

書いたラジオドラマは数百本。腹話術師・いっこく堂の脚本・演出・プロデュースを行い、衝撃的デビューを飾る。最近は、落語家・柳家花緑に47都道府県のご当地新作落語を提供中。 著書「ラジオな日々」「ラジオにもほどがある」「誰もいそがない町」「笑う20世紀」「あなたに似た街」「【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0」…など多数。

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