May 10, 2018

コラム

NHKからのラジオドラマオファーに藤井青銅がアオハルしてみた?

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 先日、NHK広島で、NHK山口のドラマ収録をした。
 ん?…なんだかややこしいが、これには理由がある。
 NHK‐FMに「FMシアター」という50分のドラマ枠があり、NHK山口放送局から依頼があった。山口県の周防大島を舞台にしたドラマだ。その取材に行った時のことが、以前のコラム「シナハンとインフル」だ。
 その後、無事脚本も完成し(当然遅れて、怒られたけど)、ドラマ収録となったのだが、なぜ山口でなく広島で行ったのか?

 各県のNHKにはもちろんテレビ・ラジオのスタジオがあるが、実はラジオドラマの収録ができるスタジオは少ない。ラジオドラマは、十数人の人間がスタジオに入り、マイクの前に立って、前に出たり、後ろに下がったり…というやや特殊なやり方で収録する。少し広いスタジオが必要なのだ。
 当然、昔は各県のNHKにそういうスタジオがあったのだろう。が、老朽化して建て直す時、「もう本格的なラジオドラマなんてあまり作らないのだから、大きなスタジオを作っても持て余す」と考えるのは自然で、ラジオは、せいぜいパーソナリティとゲスト数人が入れる程度の小さなスタジオしか作らない。
 なので、たまにラジオドラマを作る時は、その地域にある大きな局のスタジオを借りる…というシステムなのだ。NHK山口のある中国地方各局は、NHK広島を使う(ぼくは以前、NHK秋田制作のドラマを書いて、やはり同じようにNHK仙台で収録したことがある)。
 そんなわけで今回、NHK山口制作のドラマ収録で、NHK広島に行ったのだ。

 ドラマの舞台は山口県の東の端、瀬戸内海側に浮かぶ周防大島。この島の高校にあるヨット部を舞台にした、女子高生3人の青春ドラマだ。
「え? 藤井青銅が青春ドラマ?」
 と意外に思う方もいるだろうが、いや、なに、こんなぼくだって依頼があればそういう物語を書くのだ。とくに今回は「山口県出身の藤井さんに」と声をかけてもらったのだから、オジサンながら喜んでアオハルしてみた(合ってる? この使い方、合ってる?)。

 このドラマで、島の女子高生3人を演じるのは、
〇吉本実憂さん…15歳の時に全日本国民的美少女コンテストでグランプリとなり、オレオのCMなどでもおなじみ。21歳。
〇紅甘(ぐあま)さん…俳優・貴山侑哉、漫画家・内田春菊さんのお嬢さんで、この春高校を卒業したばかりの17歳。
〇岸本華和さん…子役時代から関西で活躍している女優さんで、21歳。現役大学生でもある。

 もちろん3人共若いのだが、とくに紅甘さんはドラマの役柄である女子高生と同じ年齢。なのに、見た目も喋り方も一番大人びている。年齢を聞いて、吉本実憂さんは、
「嘘! 私の方がずっと子供っぽい…」
 と驚いていた。
 ちなみに、紅甘(ぐあま)という変わったお名前は本名で、内田春菊さんのお子さんは上から順に、α(アルファ=在波)、β(ベータ=紅多)、γ(ガンマ=紅甘)、δ(デルタ=出誕)…となっているらしい。お会いしたことはないのだが、なんだか内田春菊さんらしい命名だ。
「もし次が生まれたらイプシロン(ε)だから、これはちょっと日本語にできないですよね」
 と彼女は笑った。日常的にこういうジョークを言う環境で育っているのだ。恐るべし17歳!
 もちろん、この3人の他に大人の役者さんも揃い、総勢9人ほどで、初日は本読み、翌日は朝から一日かかってのドラマ収録となった。

 ところで、ここであなたに質問。
 映画にもテレビドラマにもない、ラジオドラマ最大のメリットは何だと思いますか?

 

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藤井青銅

藤井青銅(ふじいせいどう)
23歳の時「第一回・星新一ショートショートコンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家となる。

書いたラジオドラマは数百本。腹話術師・いっこく堂の脚本・演出・プロデュースを行い、衝撃的デビューを飾る。最近は、落語家・柳家花緑に47都道府県のご当地新作落語を提供中。 著書「ラジオな日々」「ラジオにもほどがある」「誰もいそがない町」「笑う20世紀」「あなたに似た街」「【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0」…など多数。

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