May 16, 2017

コラム31

『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』の力で実現した藤井青銅サイン会と、その後

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 オールナイトニッポンで「藤井青銅の本のサイン会をやってくれる書店を募集」と告知。リスナーから来たハガキによって、サイン会が実現した。
 場所は船橋西武百貨店。リブロ書店は6階だか7階だかの上層階にあった。到着すると、徳間書店の担当者、ハガキをくれたリスナーのバイト君、そしてバイト君のアイデアを採用して決断というか、英断というか、暴挙というか…をしてくれた店長さんが待っていた。
「あのう…お客さんは来てらっしゃるんでしょうか?」
 と恐る恐る聞いた。
「藤井さん、大変です。お客さんが多いので、階段に並んでもらうことにしました」
「えっ!?」

 信じられないことに、百人ばかりもの方が来てくれたのだ。当然のことながら、ほぼ全員がウッチャンナンチャンのオールナイトニッポンのリスナー。(藤井青銅とかいう番組作家が困ってそうだから、行ってやるか。どういう奴か見てみたいし)という優しい気持ちで来てくれたのだろう。
 嬉しいのはもちろん、申しわけない気持ちにもなった。だって、本当はウンナンに会いたいはずだもの。なので、サインをしながら「ウンナンのどっちのファン?」とか「どんなコーナーが好き?」とか番組のことばかり聞きながら、本にサインを書き、握手し、たまに写真も撮った。
 その長い列を眺めながら、店長さんは驚いていた。
① 藤井青銅なんて無名作家に、なんでこんなにたくさんのファンが並ぶのだ?(全員、ぼくの後ろにウンナンの影を見ていることに気付いていない)
② どうしてみんな行儀よく、あたたかい感じなのだ?(基本、ラジオのファンは優しく、クレバーだ。それにほとんどがリスナー同士なので、仲間意識もある)

 勇気を出して番組にハガキを送ってくれたアルバイト君と、彼の熱意を採用してくれたリブロの店長さん、そして駆けつけてくれたリスナーたちに感謝だ。こういう、人と人とのつながり感がとても深夜ラジオっぽい。

 ところが調子に乗って、以来ぼくは本を出すたびにサイン会をやるようになったのだ。身の程知らずに磨きがかかってしまった。
 リブロの店長さんも異動するたびに「今度はウチの店舗でやりませんか?」と声をかけてくれる(ついには、リブロ池袋本店でもやらせてもらった!)。番組も面白がり、放送でクイズを出して答えは藤井青銅サイン会で発表…とか、番組Qシート(進行表)のコピーを藤井青銅サイン会で配布…なんて毎回趣向をこらして協力してくれる。
 もちろん一回もウッチャンナンチャンはやって来ないのだが(当たり前だ)、なんだか番組公認のスピンオフ・イベントみたいになってしまった。これまた、深夜ラジオならではのノリだろう。

 久しぶりにオードリーのオールナイトニッポンを担当するようになって、ぼくのこの「本を出すとサイン会やりたい病」がぶり返した。さすがに最近は、サイン会だけでは申し訳なく思い、スライドショー&トークショーと一緒になっている。本を書いたあと、毎回、スライド作りに時間をとられる。ややもするとこっちの方がメインで、本の販売を忘れがちになってしまうほどだ。本末転倒。
 お客さんの中には、たまに「以前、ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン聞いてました」という方もいて、とても嬉しい。できるならハグしたい気分だ(セクハラになるので、やらないが)。

 先日、このコラムをまとめた本『しあわせな裏方』の出版記念で、渋谷のカルチャーカルチャーでイベントを行った(みんな誰かの裏方だ・裏方あるある大会)。終わって、見に来ていたお客さんの一人が、
「面白かったです。ウチでもやりませんか?」
 と申し出てくれたのだ。
 東京の二子玉川に蔦屋家電というオシャレな本屋さんがある。そこの方だった。かくして、『しあわせな裏方』出版記念トークショー&サイン会の第二弾を行うことになった。相変わらず、身の程知らずだ。
 5月30日(火曜日)です。
http://real.tsite.jp/futakotamagawa/event/2017/05/post-374.html
 よろしかったらおいでください。現在ぼくは、スライドショーの制作に余念がない。

 

お知らせ

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『幸せな裏方』

藤井青銅(著)/新潮社

otoCotoで連載中のコラム『藤井青銅の「この話、したかな?』が書籍化! 好評発売中です。


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藤井青銅

藤井青銅(ふじいせいどう)
23歳の時「第一回・星新一ショートショートコンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家となる。

書いたラジオドラマは数百本。腹話術師・いっこく堂の脚本・演出・プロデュースを行い、衝撃的デビューを飾る。最近は、落語家・柳家花緑に47都道府県のご当地新作落語を提供中。 著書「ラジオな日々」「ラジオにもほどがある」「誰もいそがない町」「笑う20世紀」「あなたに似た街」「【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0」…など多数。

藤井青銅著「ラジオにもほどがある」(小学館刊)
→電子書籍版

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