Jan 01, 2017

コラム23

2016年を象徴する者の名は? 映画記者・佐々木誠による超極私的・ブレイク俳優トップ3

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第22回

2017年をむかえたが、映画記者として2016年も多くの男優、女優、監督らを取材してきた。その数およそ789名(グループは1名とカウント)。

 

取材数No.1となったのは、11回で菅田将暉。

2015年あたりから続いている人気ぶり、多忙ぶりは相も変わらずだった。舞台上では若干疲れた顔を見せることもあったが、周りに上手くツッコミを入れながらトークを盛り上げるなど、サービス精神は旺盛だった。2017年もその勢いはまだまだ衰えそうにない。

第2位は、取材数8回で東出昌大と広瀬すず。
出演した作品がことごとく当たるなど、2016年の広瀬すずの好調ぶりはやはり流石の一言に尽きる。そして、主役・脇役問わず、東出昌大を起用した作品の多さも目を引いた1年だった。

第3位は、取材数7回で綾野剛と妻夫木聡。
この2人に関しては今さら何も言うことはないが、これからの日本映画界を引っ張っていく存在であることは間違いない。

そして、筆者が感じた、2016年にブレイクした俳優のトップ3というものを挙げてみたいと思う。

 

ブレイク 第3位は、女優の小松菜奈。

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『ヒーローマニア -生活-』完成披露試写会での舞台挨拶撮影時(2016/4/20)

 

『黒崎くんの言いなりになんてならない』、『ヒーローマニア  -生活-』、『ディストラクション・ベイビーズ』、『溺れるナイフ』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』と、2016年だけでも5本の映画に出演。ラブストーリーからバイオレンス、そしてコメディタッチのものまで幅広く演じ分けるなど、2017年もさらなる活躍が期待される女優の一人である。彼女を取材した回数も、出演本数と同じく5回となったが、実は小松菜奈は、“笑顔を撮影するのが難しい”、記者泣かせの女優でもあるのだ。まぁ、コレは完全に個人的な意見だが、クールビューティーの小松だけあって、舞台上では満面の笑みというものをなかなか見せてくれない。だからこそ、笑顔を見せたその瞬間を捉えるのが、毎回の勝負になっているのだ。今年こそは、『小松さんの思い通りになんてならない』。バッチリとその笑顔をカメラに収めてやる。

 

ブレイク 第2位は、女優の上白石萌音。

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第8回東宝シンデレラオーディション」グランプリ発表会撮影時(2016/11/13)

 

『ちはやふる  -上の句-』、『ちはやふる  -下の句-』、『君の名は。』、『溺れるナイフ』と、話題作やメガヒット作を含め、昨年は4本の映画に出演。取材した回数も6回と、有村架純や二階堂ふみと並んで、売れっ子女優の仲間入りを果たした。『ちはやふる』では、劇中の【綾瀬千早】と【大江奏】の関係そのままに、本作で映画単独初主演を飾った広瀬すずを全面的にバックアップし、公私ともに彼女を支え続けていた。そして、やはり何と言っても『君の名は。』である。神木隆之介演じる【立花瀧】と身体が入れ替わってしまう、ヒロイン【宮水三葉】の声を担当し、声優としての実力も遺憾なく発揮した。まさにこの作品が、上白石萌音という女の子が、本格的な女優へと“入れ替わる”きっかけとなったのは紛れもない事実である。また、同作でRADWIMPSが歌った「なんでもないや」をカヴァーし、その透き通るような“萌声”も世間に披露した。一度、『舞妓はレディ』でCDデビューは果たしているが、その時は役名の【小春】名義だった。今回は、本名の【上白石萌音】名義でCDをリリースするなど、女優、声優だけではなく、歌手としての可能性も感じさせる1年であった。

 

ブレイク 第1位は、新海誠監督。

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『君の名は。』完成披露試写会での舞台挨拶撮影時(2016/7/7)

 

もはや俳優ではないが、2016年の顔と言ったら、この人の名は外せない1年だった。2002年に初の劇場公開作品『ほしのこえ』を、2004年に初の長編作品『雲のむこう、約束の場所』を発表し、国内で多数の映画賞を受賞。その後は、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』など、クオリティの高いアニメーション作品を次々と世に送り出し、その評価は国内だけに留まらず、国外へも広がっていった。が、まだ“知る人ぞ知る”存在であった新海誠監督の名が一気に知れ渡ることとなったのが、今回の『君の名は。』であった。2016年の東宝作品ラインアップが発表された時から気になっており、観ないとあとで後悔すると直感が働き、いち早く鑑賞した作品だった。その時はまさか、ここまでの“おおごと”になるとは思ってもいなかったが。これでアカデミー賞なんて獲ろうものなら、もう新海監督に対して、「君の名は?」など失礼なことは言えなくなるだろう。日本中の、いや、世界中の人が、新海誠監督の名と顔を認知することになる。ただ、昨年はブレイクしたというよりも、ブレイク“しすぎた”印象があるので、次回作へのプレッシャーは半端ではないはずだが、新海監督には新海監督らしい、上質なアニメーション作品を今後も作り続けてもらいたいものだ。

佐々木誠

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