Mar 31, 2017 interview

第4回:「宣伝を操れるようになれば、自ずとプロデューサーもできるようになるから」と言われたんです。

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池ノ辺直子の「新・映画は愛よ!!」

Season14  vol.04 アスミック・エース株式会社 配信企画プロジェクト推進室長 兼 コンテンツ事業部コンテンツ企画グループ長 谷島正之 氏

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映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」

今回はアスミック・エース(株)の谷島正之さんに、学生時代にカンヌに行った際の話や宣伝部に所属した際の話、そしてプランニングも手がけた思い出の宣伝プロデュース作品のお話等も伺っていきます。

→前回までのコラムはこちら

池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)

前回は、谷島さんが大学生の時にヘラルド・エースの宣伝を手伝った後、ヘラルド・エース社長の原正人さんに、カンヌ映画祭へ連れて行ってもらうところまで、お話をうかがいましたね。

谷島正之 (以下、谷島)

「本当かな? 」と思っていたら、本当に連れて行ってくれたんです。

池ノ辺

学生は何人か行ったんですか?

谷島

私、ひとりだけ。

池ノ辺

すごい!

谷島

原さんの意図としては、学生をカンヌ映画祭に連れて行き、どんな作品を選ぶかというマーケティングをしたかったとおっしゃっていました。

その頃のヘラルド・エースがどういう状態かというと、『ニュー・シネマ・パラダイス』が、シネスイッチ銀座というたった一劇場、単館公開だけで3億5千万円売り上げていた年なんだよね。

不動の記録を打ち立て、たぶん、とても潤っていて、実験をしたかったんだと思う(笑)。

池ノ辺

面白いことやってましたよね、あの頃って。

カンヌはどうでした?

谷島

朝から晩まで世界各国のいろんな映画を見せられて。

僕は映画が好きだから、本当に天国のようだった。

ただ、字幕がないんだけどさ(笑)。

それでどう思う、こう思うというのを厚いレポートに書いて、毎日“洋画買い付け会議”なるミーティングをやって。

池ノ辺

カンヌに行く時ってみんなそうですよね。

朝から晩まで見て、何を買うかというのを大学5年生の時にやっていたんですね。

谷島

今の若い子がどんな映画に反応するかというのを、ものすごく気にしていたんですね。